自覚症状 | 症状は障害のある弁、障害度によって異なります。僧房弁閉鎖不全(逆流)では 後方の肺静脈圧が上昇すると息切れ、動悸を生じ、心不全が進むと肺水腫、胸水貯留など(症状は息切れ、咳など、肺水腫では仰臥位より起坐位の方が楽に感じます)。左心房が拡張して心房細動になると 脈の不整、動悸など。三尖弁閉鎖不全では体静脈圧の上昇で下肢のむくみなどが最初に現れやすい。大動脈弁閉鎖不全では左心室の拡張、さらに肺静脈圧の上昇で息切れ、動悸。大動脈弁狭窄症では動悸、息切れ、狭心症、不整脈も出現します。大動脈弁狭窄重症例(推定圧較差120mmHg)は狭心症、不整脈があり、大動脈弁閉鎖不全例も不整脈がありました。 |
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診断 | 簡便でリアルタイムに検査できる超音波エコーが繁用されます。弁の性状、動き、ドプラを使えば逆流量の定量化、弁狭窄の重症度も評価できます。添付画像は超音波エコーの画像です。ドプラ法で血流は可視化(逆流面積、流れの方向と速度)され、重症度を評価に加え、同時に各心腔の大きさ、心筋壁の厚み、動きも評価でき適切な治療方針を立てる指標になります。 |
治療 | 障害された弁の部位と重症度で治療方針は変わります。食塩制限、運動制限が必要な場合もあります。利尿剤、血管拡張剤を使用することもあります。重症になる前に手術的治療が検討されます。僧房弁閉鎖不全では原因により弁輪縫縮術や人工弁置換、大動脈弁閉鎖不全、狭窄では人工弁置換が必要になることもあります。 |